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建具屋用 釘〆

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ちっとも更新ができておりませんが、最近手に入れた道具でおもしろいものがあったので紹介します。

田斎という鑿鍛冶の作った「建具屋用 釘〆」です。特徴は先端に丸い窪みがあるため、小釘を打つときに頭が外れにくくなっています。襖の引手や甲丸レールの釘頭を打ちやすいように作られたものです。

釘〆1

釘〆2

普通の釘〆は大工用で釘抜を兼ねた二徳用などもありますが、そもそも扱う釘の大きさが違いますので、このような専用品は珍しいと思います。私はマグネット付きの真鍮ポンチも使用していましたが、こちらの方が扱いやすい感じです。

そして余計なお世話ですが、大変いい道具だと思うのですが、需要がどのくらいあるのか当事者でありながら疑問です。というのも昨今では釘よりもビスを用いることが圧倒的に多く、強度もですが打った後で抜いたり締め直せる点では、やはりビスに優位性があります。

そのため私も普段使いの玄翁は鑿専用で両面平のものを使用しています。最後の釘頭を打つために玄翁を丸い方で打つということも、あまり聞かなくなったのではないでしょうか。

職人不足が叫ばれていますが、恐らく本当に深刻なのは職人のための道具を作る職人といった、業界を支える人の不足ではないかと思っています。

そのため、微力ではありますが、なるべく道具は新品を買うようにしていますが、変な道具(?)は製作を断られるケースも経験しています。

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