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良い建具

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「良い建具とは何か」と聞かれると、その答えは人それぞれだと思いますが、私の場合で言いますと、これは昔に読んだ建具の本の受け売りとなりますが、「その空間にしっくりくるもの・マッチするもの」ということになります。

むろん、それがしっくりくるかどうかは、見る人によっても変わりますので、これといった正解があるわけではありません。また、和室だから和風の建具でなければならない――というようなものでもありません。現在の建築は良くいえば自由度が高い、悪くいえば混乱している感がありますので、なおさらだと思います。特に別荘のような非日常の空間であれば、デザインの方向性も一般住宅とは違ってきて当たり前ともいえます。

しかしながら、空間全体の中で建具に違和感がない、道具としての用の美を満たしているというのは、ひとつのベースラインとして広く認められるのではないかと思います。たとえ、それが突飛なデザインであったとしても、その空間に合うものであれば許容される、ひいては良い建具だというのが私の考えです。

とはいえ、こうなってくると大変なのが設計士さんだと思います。「神は細部に宿る」という有名な言葉がありますが、建築の意匠もディテール(細部)の積み重ねが全体に対しても強い影響を与え、単純な組み合わせではなく積み重ねの結果というところが確かにあります。ですから、実は「良い建具」とはいいますが、それも空間の一部であり建具だけで成り立つものではない以上、言い換えると良い建具は良い空間の一部として存在する――というのが本当のところなのだと思います。

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